2024.07.25.thu

単身女性向けの団地リノベーション物件、自然との暮らしがテーマの「ダンチハーブ」

単身女性向けの団地リノベーション

今回ご紹介するのは、優良な団地をリノベーションしてお届けする、だんちぐみ(団地再生事業協同組合)の「単身女性向けの物件」。

デザインを担当したのは、Studio Flux (スタジオフラックス) の今里(いまさと)さんという建築家です。

随所に遊び心も散りばめているので、感度の高い若い方に気に入っていただける住まいだと思います。

周辺環境：鶴川6丁目団地

鶴川というところは、東京都の町田市になります。

東京の郊外というのもあるのかもしれませんが、非常に静かな場所です。

こちらの団地はハーブというプロジェクト名で、花と緑にくるまれる癒しの空間がコンセプト。

築50年が経った東京郊外の団地は、まるで公園の中に住んでいるように草木が生い茂っていたので、グリーンを愛でる部屋をつくってみたくてハーブという名前を付けたそうです。

外壁もピンク色をしてますし、手すりの色だとか、エントランスの鉄部の色なんかも、非常に特徴があります。

玄関

団地の玄関は少し暗いイメージもありますが、グリーンを垂らしたり引っかけたりというような、ちょっと遊び心も入れてデザインの連続性を持たせています。

げた箱をつくらずに、好きなものを並べたり、可愛いシューズケースの中にお気に入りの靴を入れたり、そのままスニーカーを並べるのもいいかもしれません。

自由に高さが変えられる棚は、レールが仕込まれています。

また、玄関ドアは断熱性や耐震性が施されていて、高い性能が特徴です。

キッチン＆ダイニング：約16帖 (LDK)

玄関の先には職人が丁寧に作った大きな収納棚。

全体の配色に合わせて、一つ一つ調合してオリジナルの色をつくっています。

お気に入りの食器やグラスを並べられるように、見せる収納にしました。

その隣には長さが2,700mmあるキッチンカウンター。

とても大きいので、わざわざダイニングテーブルを置かなくても、ここで食事や仕事ができます。

天板には全体の色にも馴染んでいるタイルを貼って、arom(アロム)のハイチェアをしつらえました。

アンティークなデザインの照明は、少し遊び心のあるペンダントライトを選んでいます。

タカラスタンダードのキッチンは、ホーローなのでお手入れがしやすいというのが特徴の一つです。

団地のグリーンを背にしてつくる料理は、とても楽しいひとときとなるのではないでしょうか。

arom(アロム)のカウンターチェアやODELIC(オーデリック)のペンダントライト

リビング：約16帖 (LDK)

約16帖のリビングスペースには、クラシックなスタイルに合うようにカリモク60のソファをセレクト。

壁は少しだけ炭を混ぜた、グレーのモルタルを塗っています。

白いバーに絵をかけたりグリーンを飾ると、壁が映えるように考えました。

少し幅の広い190mmの床材は、表面が4mmの無垢材で、下が11mmの集成材となっている、IOCのカンヌシリーズ。

完全な無垢材ではないので、メンテナンスがしやすく、しなったり反ったりということもないので、長く使うことができます。

天井まで高さのある大きな扉は造作の建具です。

ガラスに少し透け感のあるフィルムを貼り、ゴールドの取手を採用しました。

キッチンカウンターのペンダントライトも含めて、色使いに各所工夫をしています。

サービスルーム：約4.5帖

住まいのコンセプトに合わせて、横引きの扉は手づくりの製品にしました。

サービスルームは、棚に草木の手入れをするような道具を置いたり、絵を描くのが好きな方はアトリエにしたり、場合によっては仕事部屋としても使えます。

縦目の材料で仕上げている壁は倉庫をイメージ。

ここの洗面台はシンクとして使うというよりも、道具とかモップ、もしくはスニーカーや長靴なんかをジャバジャバ洗える、奥行きも深さもあるものにしました。

だんちぐみがこの家にかけた想い

それは、家というものを、住まい手のやりたいことを叶えるための一つの道具として提供すること。

団地は借りるだけではなく購入することもできるということを知り、周辺環境の良さも相まって心地よいライフスタイルが送れるという、新たな団地での暮らし方を発見できる家です。

■住まいの詳細情報

・場所　　　　鶴川6丁目団地
・総戸数　　　780戸
・築年月　　　昭和43年5月
・延床面積　　52.93m (16.01坪)
・床面積　　　1F / 47.2 ㎡　2F / 50.5 ㎡
・間取り　　　2LDK
・構造　　　　鉄筋コンクリート造
・設計施工　　株式会社アーキモール