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団地というコミュニティの面白さ
団地とマンション、どちらかに住むとしたら、私は間違いなく団地派だろう。
子供の頃、家族ぐるみで付き合いのあった、幼なじみの友達が住んでいた団地。そこは都心部ではなく郊外の、そしてまた市街地から外れた、山を切り崩したような場所に建っていた。周囲は山に囲まれ、団地の中心には豊かな緑が生い茂っている公園があった。当時はあまり団地というものをよく理解していなかったので、同じ建物がズラリと並ぶ自然豊かな場所が、私には不思議な光景に映っていた。
その中で一番好きだったのが、団地の住人しか行かないであろう、昔ながらのお店が軒を連ねる商店街だ。スーパーやおもちゃ屋、婦人服などの日用品を取り扱うお店はもちろん、薬局や病院、床屋に至るまで、日常生活に必要なあらゆるお店が小さな商店街にギュッと詰め込まれた、あの古き良き昭和の雰囲気がたまらない。
それに公園や商店街のような、住人同士が集まる場所があることで、誰もが顔見知りとなるような人と人との繋がりが生まれるのも、団地ならではの特長ではないだろうか。公園に行けば初対面の子供といつの間にか仲良く遊んでいたし、いつもタダでお菓子をくれる駄菓子屋のおばさんもいた。誰もが仲良くなれるような、そんな暖かみのある雰囲気に懐かしさを感じる。
そういえば、昔はもっと近所付き合いがあったし、年齢問わず様々な人との交流が常にあった気がする。母親なんかは毎日のように近所の家に行ったり、実家に人を招いてお茶を飲んでいたものだ。いつの日にかそんな交流も無くなり、それが当たり前になってしまった。だからこそ、団地という人と人との交流を生む暖かなコミュニティに、居心地の良さを感じるのではないかと思う。
ただ残念ながら大人になるにつれて、なぜかコミュ障を発揮している私は、そんな古き良き昭和の団地に住んだところで、近隣住人と仲良くしていける自信が無いのが悲しくもある。
今回ご紹介する住まい
今回は神奈川県藤沢市にある、築40年の団地をフルリノベーションした住まいをご紹介。
こちらを手掛けられたのは、Camp Design (キャンプデザイン) 様。
団地とは思えない洗練された白さ際立つデザインが、見る人を魅了します。
極限まで無駄を削ぎ落としたシンプルな空間は、まるでホテルのような空気感が漂います。
■住まいの詳細情報 ・場所 神奈川県藤沢市 ・延床面積 58.06㎡ (17.56坪) ・間取り 1LDK ・構造 RC造 ・階層 5階 ・築年数 40年 ・設計 Camp Design inc.
ルームツアー
Camp Design がこの家にかけた想い、それは、間取りを大幅に変更できない制限の中で、空間に合わせて暮らし方を再検討した家づくり。
収納・造作・扉などに工夫を凝らして、与えられたスペースを効率的に使い、生活感の少ないスッキリしたデザインによってコンパクトでも豊かな暮らしが叶う家。
今回ご紹介するのはそんなルームツアーです。
掲載企業・ブランド紹介
Camp Design inc.
公式ホームページはこちら
http://www.camp-archi.com