WTWが提案する個性を大切にする家とは?

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ライフスタイルブランドWTWのチャレンジ

海沿いに建つモデルルーム

ライフスタイルブランドのWTW(ダブルティー)が手掛けた住まい、「WTW HOUSE (ダブルティーハウス)」が発売されている。

WTWは「アーバンサーフナチュラル」というコンセプトを持ち、カリフォルニア西海岸のイメージを日本に持ち込んで、サーファーが波を待つ時間のような心地よさを提案しているブランドだ。

ソファやテーブルなどのインテリア、食器などのアイテム、さらにはファッションからアートまで、理想の暮らしを追い求めるユーザーに対して様々なアプローチを行ってきた。現在ではメインターゲットとなるサーフィンを楽しむ人たちだけでなく、気取らない心地よさを求める幅広いユーザーに支持されている。

そんな同社が「WTWの店舗に住みたい」ファンの想いを叶えるため、ブランド自ら住宅そのものをプロデュースした。そこに表現された普通の家との違いはどこなのだろうか? また、WTWが家そのものをプロデュースすることの狙いに迫りたい。

今回、WTWブランド全体のディレクションを務める、株式会社WTWの営業部長兼商品部長の岡本勇気 (オカモト ユウキ) 氏に、WTW HOUSEにかける想いを聞いた。

WTW HOUSEの特徴

岡本勇気氏

■「WTW HOUSE」の特徴を教えてください。

− 岡本氏コメント:忙しい毎日の中でも海を感じたり海風を感じる心地よい暮らしを送りたいという、WTWが提案するライフスタイルがそのまま表現された家というのがコンセプトになっています。

外観から内装まで基本的にはすべて私たちでデザインを手掛けました。一部オプションではありますが、家具からアートまで、WTWのアイテムを使ってインテリアもコーディネートしているんですよ。

■普通の家との違いはなんでしょうか?

− 岡本氏コメント:まず玄関の傍に幅を広くとったウッドデッキがあります。ウッドデッキはサーフィンをするひとがメンテナンスできるように、大きさをこれくらいにしたいとか、色味も含めて細かく調整しています。

さらに玄関を開放的に、普通の住まいとは違って自転車を入れたり、サーフボードやスケートボードを入れられるようなアクティブな場所にしたかったので、土間の玄関にしました。ここも広めにとって、靴を履くときのベンチをつくるなど工夫を凝らしています。

リビングダイニングは、吹き抜けと大きな窓から差し込む光が印象的な開放感のある空間になっています。この家の中心になる場所です。

ここで特に意識したのは目線の動きで、まずリビングに入ってきた人の目線は窓からウッドデッキへと続き、さらに窓が天井までつながっていることで目線は空へ流れます。外部とのつながりを感じて、実際の大きさ以上の広さを演出しています。

トーンの統一されたインテリアはもちろん、アイアンの階段がアクセントとして視界に入ったり、雑貨用の造作棚も溶け込むように設置されているので、視線を移すたびに楽しいはずです。

実際に住むひとの動き(導線)だけでなく、このように目線の動きを意識してデザインすることによって、利便性だけでない解放感を感じてもらうことができ、家に帰ってきたときに心が豊かになることを心掛けました。

大きさや色身にもこだわったウッドデッキ
大きさや色味にもこだわったウッドデッキ
開放感が溢れる玄関土間
開放感が溢れる玄関土間

■目線の動きですか?

− 岡本氏コメント:はい。僕自身がインテリアデザイナーでもあるので、外観だけではなくて、実際そこに自分が住んでどういう暮らし方をするのか、お客様はどういう暮らし方を求めているのかなっていうことを常に意識しました。

また、もうひとつ意識したのは時間の流れです。朝、ウッドブラインドで開閉する窓からは開けると優しい光が入ってきたり、サーフィンした後にゆっくりと波を見ながらくつろげる時間があるといった、一日の朝起きてから夜過ごすまでの時間軸を書き出したんです。

外部とのつながりを感じるリビングダイニング
外部とのつながりを感じるリビングダイニング

■住むひとの目線の動き、時間軸がデザインのポイントになっていると

− 岡本氏コメント:実際に住むであろう家族の目線と時間軸を意識すると、大事にしたいシーンも見えてきて、必要な機能やインテリアが明確になります。

例えば間取りに関しては、リビングダイニングが中心の作りになっています。ここで気を使ったのは、キッチンをカウンターにして、旦那さんなのか奥さんなのかが料理をしているとき背を向けないようにしたことです。料理中も会話ができるでしょうし、子どもと遊んでいるパートナーが常に見えていれば、家族のだんらんの時間になります。

■まさに目線の動きですね

− 岡本氏コメント:そうです。さらには料理しながら見た目線の先にウッドデッキがあって、海が見えそうな雰囲気を感じることが出来るといった、具体的なライフスタイルと暮らしの1コマ1コマをイメージしました。

やっぱり料理しているときに目の前に壁があったら開放的じゃないし、家族の気持ちも分からないので、家族の顔を見たり、外の景色を眺めながら美味しいものを食べる。そんなシーンをイメージしています。

家族と景色を眺めながら料理ができる
家族と景色を眺めながら料理ができる

■シーンをイメージするとは?

− 岡本氏コメント:目線の動きと、さらにそこに時間軸を掛け合わせることで、シーンが想定できます。家族のだんらんの後にはウッドデッキに出て、デッキ用のファニチャーに座って、夕日がさしこむ中でワインでもビールでもちょっと飲みながらゆっくりできる。そんなシーンが浮かびます。

シーンからシーンへの移り変わりが自然に行われるように、それでリビングダイニングをいわゆるアウトドアリビング的な、外にいるような空間がリビングから続いているというイメージで作りました。

実際に見てもらえるとよく分かるのですが、くつろげる空間が想像以上に広がっているのを感じてもらえると思います。そこには家の中だけに留まってほしくないという考えもあるんですけどね。

家族とのくつろぎのシーンを想定したデザインのアウトドアリビング
家族とのくつろぎのシーンを想定したデザインのアウトドアリビング

■目線の動きに時間軸が合わさることで、シーンがはっきり浮かんでくるんですね

− 岡本氏コメント:僕の場合もそうなんですが、例えばリビングダイニングで家族と会話をしたシーンが一番記憶に残っているんですよね。その体験を大事にしたいと思っています。

そこで何をするかは家族でいろいろな形があると思うんですけど、重要なのは家族が一緒に朝から夜までリビングダイニングで過ごせるような、子どもにも大人にも質が高く、居心地のいい空間であることです。そうすることで、自然とそこに人が集まる効果が生まれます。

リビングダイニングへのこだわり

WTW HOUSEのリビングダイニング

■そのためのWTW HOUSEのこだわりは何でしょうか

− 岡本氏コメント:一般的な家より広くスペースを取ったリビングダイニングには、吹き抜けと天井まで続く窓と面したウッドデッキが外とのつながりを演出しています。さらに床材を幅が広いフローリング材にすることで、期待以上の開放感を感じてもらえるはずです。

造作の棚も同じような木の質感でつくっているので、ナチュラルな自然の温かみを表現できたと思います。キッチンのカウンターにも質感が異なる突板を張ったり、全体を見ながらWTWの目指す遊び心を散りばめています。

自然な印象の造作棚
自然な印象の造作棚
質感の異なるキッチンカウンター
質感の異なるキッチンカウンター

■WTWの店舗でも同じような空間の作り方をしていますね

− 岡本氏コメント:店舗同様に大切にしているのが、外観にも使っているホワイトのカラーの色味です。ウッドテイストの白色を基調にした家、いわいる「ナチュラル系」みたいな家は一般的にも多いと思いますが、そことはまったく異なる落ち着ける白色の使い方を目指しました。

白色でも少しくすんだ色味を複数取り入れることで、幅広い年齢層の方が満足できる世界観になっていると思います。

照明やスイッチ一つ一つとっても全体のテイストから浮かないようにチョイスしているので、細かな部分にもこだわりを感じてもらえるはずです。

WTWが家づくりに取り組む理由

家づくりについて語る岡本勇気氏

■WTW HOUSEの反響はいかがですか?

− 岡本氏コメント:嬉しいことにかなり好評をいただいています。WTWのファンの方はもちろんですが、意外だったのは、とくに地方でWTWを知らなかった方にも「WTW HOUSE」を選んでもらえていることです。

■どのあたりがブランドを知らなかった人に選ばれている理由なんでしょう?

− 岡本氏コメント:先ほどお話ししたリビングダイニングを中心にした、つまり家族のだんらん、友人とのだんらんを中心にした家であることが、お客様の理想の暮らしと重なる部分があるのではないでしょうか。

あとはシンプルに、建物の外観と、内装や家具・インテリアがWTW HOUSEの場合は統一されていることも大きいでしょうね。

家具とインテリアまで同じWTWのプロダクトでそろえることが出来ること、ベースのWTWのコンセプトが明確であることで、全体がひとつの空間になるというか、ちぐはぐな印象がないこともメリットに感じて頂けているのではないでしょうか。

建物の外観もWTWが手掛けている
建物の外観もWTWが手掛けている
家具からインテリアまでWTWのアイテム
家具からインテリアまでWTWのアイテム

WTWが住宅を手掛けたきっかけ

住宅を手掛けるきっかけを話す岡本勇気氏

■では、WTW が家づくりに取り組んだきっかけを教えてください

− 岡本氏コメント:実は10年前にWTWを立ち上げた時から、ブランドが提案するライフスタイルを明確に伝えるために、それを想像できるハコを具現化できれば分かりやすいなとは考えていました。

そんなことを考えている中で、1号店であるWTW青山店に来ていただいたお客様が、「このお店にそのまま住みたいね」って言ってくれることが度々あって。

それでピンときたこともあり、このお店のデザインに近いものをそっくりそのまま表現した家なら、お客様が喜んでくれるなっていう想いがずっとあったんです。

■なぜWTWのお客様が「お店に住みたい」と思うのでしょうか?

− 岡本氏コメント:この店舗は外観から内装、すべて自分たちでデザインしていて、とても開放的な窓があります。柱などはコンクリートですが、何もなかった状態に造作の棚を加えていきました。

WTWのコンセプトがアーバンサーフナチュラルなので、見た目ではナチュラルを中心にしながらも、象徴的なカラーであるブラックを組み合わせています。

階段は以前のものが一部残っているんですが、吹き抜けではなかったんですよ。そこに象徴的なカラーであるブラックを入れるために、フレームのある鉄骨階段をつくったりして、このあたりはデザインとしてもWTW HOUSEへ反映されています。私たちの提案する世界観というのがまさに表現できたのがこのショップなんです。

だからこそお客様がWTWのショップを見たときに、「このお店に住みたい」という言葉を口にしていただけるんじゃないんでしょうか。

WTW青山店の様子
WTW青山店の様子
店舗のデザインがWTW HOUSEにも反映されている
店舗のデザインがWTW HOUSEにも反映されている

■ライフスタイルブランドが住宅を手掛けるのは、まだ一般的なことではありません

− 岡本氏コメント:例えばセレクトショップに行けば、キッチン用品を同じテイストでそろえるといった買い方はいくらでもできるけど、その延長で家を建てようって思った時に、それを具現化できる会社があまりなくて、なんでなんだろう?という想いがありました。

お客様の口から「お店に住みたい」って言葉が出てくるのは、同じ悩みがあるからだと思うんですよね。

ですから僕らのチャレンジは意義があることだと思いますし、これからほかのブランドでも同様のプロジェクトが増えてくるのではないでしょうか。

■WTWがいち早く実現できたのはなぜでしょう?

− 岡本氏コメント:僕たちはプロダクトアウトじゃなくて、マーケットインという考え方を常に持っています。

一つ一つモノづくりをするときの考え方として、なかなか他にないデザインだと考えていますが、商品がお客様の手元に届いた時、遊び心を感じてもらえたり、海っぽさを感じてもらえたり、リラックスできたりと、確実に何か反応が得られることをいつも意識しているんです。

そういう視点でお客様にどう喜んでいただけるか、反応してもらえるかを想像して大事にしてきたからこそ、WTW HOUSEも実現できたのだと思います。

WTWの住宅業界への想い

真剣な眼差しで語る岡本勇気氏

■WTWというライフスタイルブランドをやってきた岡本氏から見て、住宅業界についての想いを聞かせてください

− 岡本氏コメント:「どんな家でも作りますよ」みたいな状態は、体制としては整っているけど、もう少し個人に合わせて踏み込んだところまで作り込むという仕組みが、ライフスタイル業界から見ると少しだけ物足りないと感じます。お客様目線で見ても、同様に物足りない印象があるのではないでしょうか。

なんとなく住宅を手に入れる仕組みの中で、今はお客様側が想いを我慢して家に合わせないといけない感じというか、それが普通という雰囲気がある。本当は上辺でなく、自分の理想に心から共感してくれる会社で家を建てたいですよね。

これはインテリア業界が進んでいると言いたいのではなくて、家という価格や敷居の高さがあるからだと思います。ですが、どういう景色が暮らす人の目線の先にあって、どういう暮らし方をするのか、その辺りがもっと突き詰められて具現化されていくと、よりそれぞれの家に個性が出てくるのではないでしょうか。

やっぱり僕は個性をもっと大切にしていくべきだと思うし、家は自分なりの表現ができる助けになるべきだと思います。セレクトショップは、無印良品のような無機質さが表現されたところもあるけど、個性が強いですよね。

個性の強いアイテムが並ぶWTW
個性の強いアイテムが並ぶWTW

■どんな視点が理想の家を手に入れるヒントになるでしょうか?

− 岡本氏コメント:例えば誰でも趣味があると思いますが、趣味って結構大変というか手間がかかるので、もっと真剣に向き合って、それを中心に考えてみてもいいと思うんです。

僕の場合はサーフィンをするので、家に帰ったときにウッドデッキがあったらって発想はそこからなんですけど、ほかにも玄関土間も妻と一緒に野菜作りをしているので、その地元でとれた野菜を土がついたまま放っておけるようにとか、きっかけは趣味からなんです。

それに趣味で忙しくバタバタ散らかっていても、散らかっているところが見えないように間取りを工夫すれば、リビングダイニングにお客さんを呼んでホームパーティができたりとか、家カフェが好きだからこだわりのコーヒーが味わえるようなインテリアにしたいとか、どんどんつながってきますよね。

趣味を楽しむためデザインされたWTW HOUSEの玄関土間
趣味を楽しむためデザインされたWTW HOUSEの玄関土間

■家全体を考えるスタートが趣味でもいいんですね

− 岡本氏コメント:ほんとに様々な趣味がありますよね。映画を観るのが好きで、テレビの代わりにプロジェクターで映画鑑賞ができるようにしたい、だから結果としてインテリアがこうなって、という感じです。

最初から間取りがどうのこうのとか、機能性をとかなんて会話をするのでなく、最初にゼロベースで好きなことを話してみるのが重要なポイントではないでしょうか。

そうすれば自ずと必要な機能が分かってきたり、間取りだってここにリビングが、キッチンがと決まって、テーブルの大きさが、お皿の大きさが、ってつながると思います。

■まさに長年インテリア業界にいて、お客様と接してきているからの発想ですね

− 岡本氏コメント:僕がお客様側だったら、まずは趣味を伝えて、家づくりのプロが考えた間取りを見て、そこから機能をどうしたい、間取りのここをちょっと変えたいとか考えます。そういう会話をしながらの家づくりの方が理想の家に近づくのではないでしょうか。

そのためにプロがいるわけで、お客様は本質的な理想のライフスタイルを大事にしていいと思います。

インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。

趣味が理想の家をつくる手掛かりに

開放的なリビング空間

自分の暮らしを良くしたいと思った時に、妥協せずに「何を暮らしの中心にしたいのか」を考え、つらぬく岡本氏の意思の強さを感じた取材になった。

趣味を中心に家づくりを考えていい。そこから間取りやインテリア、家の機能までを決めていけばいい。そして必要な部分は家づくりのプロに任せればいい。

その考え方は、これから理想の暮らしのために家づくりをしたい私たちにとって、とても大切にしたい発想だ。

このような発想のもとにWTWと岡本氏がつくったWTW HOUSEには、そのライフスタイルの理想が反映され、リビングダイニングを中心にした大胆な間取りと空間になっている。

広いウッドデッキにつながって外の空間まで取り込みながら、「ここで何をしよう?」とワクワクしてしまうのは、具体的な岡本氏の理想のライフスタイルが投影されているからだろう。同じように住むひとにとっては楽しみが広がり、家族や友人が集まるシーンが想像できる。

予算に合わせて間取りとか機能性を創っていくのがプロだから、そこはお任せしつつ、自分の暮らしを良くしたい、充実させたいと真っ直ぐに考え、そのために家と向き合う。それで良いのだ。

株式会社ネクストが手掛けたWTW HOUSEのモデルルーム
株式会社ネクストが建てたモデルルームをYouTubeで紹介しています
掲載企業・ブランド紹介

WTW HOUSE (ダブルティー ハウス)

ライフスタイルブランドのWTWが、住宅規格会社のBETSUDAI Inc. Tokyoと共同開発した家。WTWは直接施工を行うことはできないので、全国の工務店とタッグを組んで、その地域ごとのプロが施工を行う。

CLASTORiÉで紹介しているモデルハウスと同じ家を建てることも可能だし、土地の形や風景に応じていくつかのパターンの中からプランを変更することが可能。こういった商品化された住宅は規格住宅と呼ばれる。

公式ホームページはこちら
https://www.wtwstyle.com/shop/pages/wtwhouse_item.aspx


WTW (ダブルティー)

「アーバンサーフナチュラル」をコンセプトとするライフスタイルブランド。カリフォルニア西海岸のイメージを日本に持ち込み、波を待つ時間のような心地よい時間を提案。家具や食器を中心にファッションからアートまで手掛けることで、暮らしの細かなシーンまで理想を実現している。

公式ホームページはこちら
https://www.wtwstyle.com/

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